皆さん、こんにちは!!
今回は新年一発目の薬剤師っぽい話題です。ステロイドの塗り薬、みなさん使われたことありますか?
ほとんどの方が、虫刺され等で使われたことがあるのではないかと。薬局では『ステロイドって、怖いイメージがあるのであまり使いたくないです』『いつまで使わないといけないんでしょう』など、患者さんからご質問いただくことが度々あります。今日はその辺りをご紹介させていただきます。
- ステロイドとは
- 塗り薬のステロイド製剤
- ステロイド製剤っていつまで塗るの?
ステロイドとは
そもそもステロイドとはなんでしょう。
実はステロイドは私たちの体内でも作られています。腎臓の上部にある、副腎というところで作られたホルモンがそれです。
アルドステロン、コルチゾールといった様々なホルモンがあり、そのホルモンごとに働きが変わってきます。炎症を抑える、代謝や免疫に関わる、またエストロゲンといった性ホルモンもステロイドの一種です。
そして人工的に、用途ごとに製造されたのがステロイド製剤というお薬になります。飲み薬や塗り薬がありますが、塗り薬においては炎症を抑えるお薬が最もポピュラーなものかと。
塗り薬のステロイド製剤
ステロイドには様々な種類があることをお伝えしました。塗り薬のステロイド製剤にはたくさんの種類があります。そしてその薬の成分については薬の強さのランクがあり、全部で5段階に分かれています。
strongest、very strong、strong、medium、weakの5つで、字の如くstrongestが最も切れ味のいい成分。それぞれの具体的な成分名や製品名は、ネットでも簡単に見ることができます。
またステロイド製剤は、体の使用する部位によっても使い分けを行います。なぜかというと、部位によって薬の吸収率が違うからです。具体的には、前腕伸側(ヒジから手首までの外側)での薬の吸収率を1とするとき、頭部3.5、頬13、頸部6、のようにそれぞれ吸収率に違いがあり、顔はmedium以下にしよう、といったことが推奨されています。
ただし、製品ごとに成分の濃度が違ったり、軟膏・クリーム・ローションといった基材の違いによる吸収率の変化、そして効果や安全性には個人差があります。やはり一番は、受診して医師に症状を確認してもらい、薬を選択していくのが基本です!!
なお市販薬(OTC)としてもステロイド製剤は売られていますが、strong以下の製剤になります。
ステロイド製剤っていつまで塗るの?
ではいつまでステロイド製剤は塗るのでしょうか。やはりこれも、基本的には医師、薬剤師の指導に沿った適正な使い方をしましょう。
ひとつの目安としては、今ある症状の赤みやかゆみ、痛みといったものが落ち着くまで塗られてください。なお塗る時はゴシゴシ強く擦り込まず、のせるように伸ばすように優しく塗りましょう。べったりタップリ塗る必要もありません。そして、その症状が落ち着いたのち、改めて受診して医師に症状を確認してもらうのもいいと思います。
ステロイド製剤はメディアなどで副作用の懸念などが伝えられ、怖い薬であるというイメージを持たれている方もいらっしゃいます。確かに長い年月使われているとそういったリスクも出てきますが、医師の指導のもと適正な使用をしていただくことで、そういったリスクも少なくすみます。そもそも、炎症自体がダラダラ残ってしまうのも体によくありません。炎症は早めにしっかりと抑えていきましょう。
なおステロイドを塗っていると日光に当たらない方がいい、という噂話があるようです。こちらについては、ステロイドの使用有無に関わらず、炎症を起こしている部位を極端に日光にさらすのは良くありません。例えば、日焼け(も炎症反応です)しているのに長時間、日の光を浴び続けるのが良くないのはイメージできますよね。ですので、通常通りの生活を行なっていただいて問題ありません。仕事や部活などで、屋外で長時間作業する方などは、日焼け止めの使用を医師や薬剤師へ相談してみましょう。
いかがでしたしょうか。
少しは皆さんのためになる様な記事になったのかな(^_^;)
どんな薬でもそうですが、しっかりと適正に薬を使っていくことで治療は進んでいきます。中には効果が出るまでに時間がかかる、あるいは効果がなかった、といったことがあるのは事実です。しかし、医師はその事実から加療したり、別の治療に移行したりと、新たな治療方針をたてます。
治療はご本人の治療するという意思も非常に重要です。医師や薬剤師の指示を仰いだり、相談しながら治療を進めていきましょう。
だいぶ真面目な記事になりました。恐縮ですm(_ _)m
それでは皆さん、今日も良い一日を!明日はもっと良い一日を!!